練習船実習では、長期間、船の中で生活をしながら航海を続けます。
大学の短期実習でも1ヶ月間、長期実習になると3ヶ月、6ヶ月という期間を同じ練習船で過ごします。
日常の生活では、必要なとき、必要なものをその都度、準備すれば用が足りるということもあるかもしれません。
また、短期間の旅行や出張であれば、どんなものが必要になるかということは、おおよそ想像ができるでしょう。
しかし、練習船の実習となると、どんな準備をしておかなければならないのかということは、なかなか想像できないでしょう。
ここでは、練習船実習に向けての準備と心得について説明いたします。
他の記事とは趣が違うな、と感じられる方も多いかもしれません。
当ホームページは、航海訓練所の業務紹介や海事思想の普及を目的とするだけでなく、実習生やそのご家族等に対して実習支援を行う役割も担っております。
練習船乗船時の服装等
乗船日は、通常、13:00から乗船式を行います。
乗船式はの服装は、所属学校所定の正服、正帽、制靴を着用します。
乗船の点呼は、12:30から後部甲板(雨天時は教室)で行ないます。
乗船したことを確認するためのもので、とても重要です。
遅れることがないよう、時間に余裕を持って行動しましょう。
練習船に着いたら、舷門(げんもん)の当直航海士(教官)に学校と名前を告げます。
人は見かけにはよらない、とは言いますが、やはり第一印象は大切です。
正服、正帽、制靴をしっかりと着こなして乗船に臨みましょう。
「実習は自宅を出発するときから始まっている」というくらいの心の準備が大切です。
舷門で自分の居室の番号と場所を教えてもらい、居室に向かいます。
船の前だからといっても、岸壁は公共の場ですから、岸壁上に荷物を放置してはいけません。
また、乗船地は、東京港または神戸港となりますが、乗船する練習船の岸壁までの交通手段や所要時間などは、事前に把握しておきましょう。
「練習船はこちら」というような親切な立て看板はありません。
事前に配布される「練習船実習の手引」の付録地図を参考にしてください。
練習船乗船時の携行品
長期間の船内生活とはいえ、船内のスペースには限りがありますし、たくさんの荷物は、乗下船時の負担も大きくなります。
ここでは、練習船乗船時に必要となる携行品について説明します。
- (1) 練習船実習の手引
- 練習船での日課の概要や規則、連絡先などが記載されています。
乗船地の確認や緊急時の連絡、乗船の準備に役立てて下さい。 - (2) 印鑑
- 乗船後、いろいろな事務手続きの際、必要となります。
- (3) 遠隔地用保険証
- (4) 正服
- 夏服、冬服の着用区分は次のとおりです。
- 夏服 6月1日〜9月30日
- 冬服 10月1日〜5月31日
- (5) 安全靴、運動靴
- 甲板作業や機関室作業では安全靴を使用します。
- また、船内生活や運動上陸時は運動靴を使用します。
- 船体の動揺、階段、段差も多いので動きやすいもの、滑りにくいものがよいでしょう。
また、靴下は、くるぶしや足首など作業中に素肌が隠れるような長さのものにしてください。 - (6) 訓練記録簿用写真
- 横 30mm 縦 40mm のもの
- (7) 腕時計
- 甲板上の作業もあるので防水型のものがよいです。
- (8) 学用品
- 参考書、ノート、レポート用紙、筆記用具、定規、関数電卓、辞書等、個人で使用するもの。
※(7)の時計にも言えますが、携帯電話にもこれらの機能を含むものがありますが、実習中や試験において携帯電話を使用することはできません。 - (9) 生活日用品
- 着替え、下着等の衣類、洗面要具等。
- (10) 懐中電灯
- (11) 作業用手袋(革手、軍手等)、耳栓
- (12) 眼鏡等が必要な人は予備を持っておいた方が良いでしょう。
- (13) 冬季の実習の場合は防寒着
- (14) 現金等
- 練習船で必要となる経費については、練習船実習の手引を参照してください。
私的に使用する現金は必要最小限にし、不要な貴重品(貴金属等)は持ち込まないようにしましょう。 - (15) その他
- 海事法令集、ホイッスル(笛)、サングラス、ゴム長靴、天測計算表、パスポートなど、学校や学科ごとに別途必要なものがあります。
「練習船実習で手引」をしっかり読んで確認しておきましょう。
ボンク(ベッド)
船では、ベッドのことを「ボンク」と呼んでいます。
練習船実習は、長期間の共同生活となりますが、実習生にとって、このボンクが唯一の私的空間と言えるでしょう。
二段式のボンクになっており、少し窮屈ですが、本や小物を収納できる棚がついています。
枕や枕カバー、毛布、シーツカバーなどの寝具は貸与されます。
起床後、最初の仕事は、これら寝具の整頓(ボンクメイキング)から始まります。
ボンクの下にも衣類や日用品が収納できる引き出しがあります。
居室内のロッカー
少し狭いですが、居室内には個別のロッカーもあります。
正服や正帽、上陸時の洋服などは、ここに収納できます。
居室の他にも実習生供用のロッカーがあり、大きなカバンなど普段の生活では使わない物を保管することができますが、こちらもスペースに限りがあります。
不要なものは持ち込まず、限られたスペースを有効に活用できるように心がけましょう。
靴収納スペースと鏡台
1つの居室には5〜6人(帆船では最大8人)の実習生が一緒に生活をします。
携行品のところで説明したように、安全靴、運動靴など履き物だけでもかなりのスペースを占有してしまいます。
整理整頓は、単に見栄えだけのものではなく、限られたスペースを有効に活用することと、共に生活をする友達へのマナーとも言えるでしょう。
居室内には電源コンセントもあります。
テーブルとソファー、ゴミ箱
書き事や読書などに使用できます。
ゴミ箱は居室ごとに置いてあります。
環境保護への意識は益々高まるばかりですが、海の上も同様です。
ごみの分別の徹底はもちろん、ごみを減らす工夫も必要になることでしょう。
実習生食堂
練習船には専門の調理スタッフが乗船しています。
したがって、実習生が自炊をするということはありません。
ただし、給湯器、電子レンジ等、一部の調理器具の使用は許可されています。
また、実習生供用の冷蔵庫も利用できます。
食事は、実習生食堂で取ります。
貴重品ロッカー
鍵付きの貴重品ロッカーが利用できます。
携行品のところでも説明しましたが現金等の貴重品は必要最小限にしておきましょう。
実習に必要な経費以外で、船内で現金を使うのは自動販売機でジュースを買うときくらいです。
浴室
浴室も共同です。
浴室、洗濯場、乾燥室(または乾燥機)は、男子実習生用と女子実習生用に分けられています。
水の使用量、航海期間に応じて浴槽の使用を制限することがあります。
その場合は、シャワーのみの使用が可能です。
また、帆船の遠洋航海時には浴槽の水を海水としています。
図書室
海事関係の専門図書の他、教養図書も扱っています。
図書室以外での利用の際は借り出し手続きを行います。
図書の貸し出しは、船内のみとし、船外への持ち出しは許可していません。
寄港地停泊中は新聞を閲覧することもできます。
閲覧場所は船によって異なります。
関連記事
練習船乗船日の一日
練習船での一日の生活











