航海訓練所の実習や業務に関するよくある質問をまとめました。
練習船だけでなく船全般の知識や質問等は「船の知識」のコーナーで紹介しています。
- □ 実習訓練に関する質問
- 練習船で実習するには、どうすればよいのですか?
- 訓練を受ける学生達は卒業したらどんな船に乗るんですか?
- 練習船で実習を行っているのは何歳ぐらいの学生・生徒ですか?
- 今の時代にどうして帆船が動いているの? 帆船による実習が必要なの?
- 実習生の中に女性はいますか?
- 練習船での生活を教えてください。
- 実習は、国内の海で行われるのですか?
- 船酔いはしますか?
- 練習船の食事はどんなものなの?
- 練習船では自由時間をどのように過ごしているの?
- □ 練習船に関する質問
- 日本丸と海王丸の外見の違いは?
- 日本丸や海王丸は入出港時には帆を開かないの?
- 日本丸や海王丸はいつも帆を広げて走っているの?
- 日本丸や海王丸に乗ることはできるの?
練習船で実習するには、どうすればよいのですか?
航海訓練所の練習船に乗船するのは、大学、商船高等専門学校、海技大学校及び海員学校の学生や生徒です。これらの学校で乗船実習のあるコースに入学すれば、航海訓練所の練習船に乗船することができます。
* 大学は、東京及び神戸の2校があります。
* 商船高等専門学校は、富山、鳥羽(三重県)、広島、大島(山口県)及び弓削(愛媛県)の5校があります。
* 海員学校は、中学卒業後に入学する本科校が小樽(北海道)、宮古(岩手県)、館山(千葉県)、唐津(佐賀県)、及び口之津(長崎県)の5校あり、高校卒業後に入学する専修科校が清水(静岡県)及び波方(愛媛県)の2校あります。
入学方法等詳しくは各学校のホームページをご参照ください。 リンクは、こちら
訓練を受ける学生達は卒業したらどんな船に乗るんですか?
大学や商船高専を卒業した学生達が乗る船は、主として外国航路での輸送に従事する船(外航船)で、海技大学校、海上技術短期大学校および海上技術学校を卒業した学生達は、主として国内貨物輸送に従事する船(内航船)に乗ります。
外航も、内航も船の種類はたくさんあって、油を運ぶタンカーや、自動車を運ぶ船、コンテナ船、港で活躍するタグボートなど様々です。
船に乗らない場合でも、多くの卒業生は船に関係する仕事に就いています。
練習船で実習を行っているのは何歳ぐらいの学生・生徒ですか?
東京海洋大学海洋工学部や神戸大学海事科学部の学生は18~23歳、商船高等専門学校の学生は20~21歳、海技大学校生は20歳、海員学校生は18~20歳です。
これらの学生・生徒が一緒に同じ練習船で実習をすることもあります。
今の時代にどうして帆船が動いているの? 帆船による実習が必要なの?
帆を広げたり畳んだりするためには、たくさんのロープを力一杯引いたり、伸ばしたりします。
一つ一つの作業を確実に、そして速やかに進めていかなければなりません。
そのとき、自分がケガをしないようにすることはもちろんですが、自分の不適切な行動で仲間にケガをさせないように注意することも必要です。
みんなが力を合わせてロープを引き、汗を流して帆を広げる作業が終わります。
ホッと一息ついて気付いてみれば、それまで船を推し進めていたエンジンの音が止み、大きな船が風の力で走っています。
ある種の感動を覚える瞬間です。
あらしに出会い、雨や風にさらされ、ある時は全く風がない中で、割り当てられた時間中、一人一人が船を安全に動かすための役目を果たします。
そしてある時は文字どおり、「待てば海路の日和」もあります。
このように大自然と向き合って船を進めるなかで、仲間が力を合わせなければ何一つ達成できないこと、責任をもって自分の役目を果たさなければならないこと、雨や風にさらされながら堪え忍ばなければならないことなど船乗りだけではなく、人間として基本的に必要なことをごく自然に体で覚えていくことができます。
そのようなことから、技術が進歩した現在でも世界のいろいろな国で帆船が活用されています。
当所もこの理念に基づき、帆船による訓練を行っています。
実習生の中に女性はいますか?
もちろんいます。
多いときは全体の2割に達することもあります。
訓練内容に男女の差はありません。
帆船でマストに登ったり、救命艇を漕いだり、錆落としなどの整備作業をしたり、総て一緒です。
練習船には女性用の設備を備えていますし、女性の教官も数人います。
女性の皆さん、心配なく実習できますよ。
練習船での生活を教えてください。
船の中では24時間交代しながら誰かが当直をしています。
実習生は停泊中は6時30分に起床します。
航海中は1日を4時間ずつ6つの時間帯に区切って1日 2回当直に入ります。
その時は起きる時間は入る当直の時間帯で違ってきて、夜中に起きたり、昼間に睡眠を取ったりすることもあります。
「実習風景」のページで、練習船での1日の生活を紹介しています。
実習は、国内の海で行われるのですか?
国内だけでなく、遠洋航海も行います。
国内航海では太平洋、日本海、瀬戸内海などの海で実習を行い、沿岸の様子や関門海峡のような狭い水路の航海方法などを学びます。
航海実習の間には、補給と休養のため、北海道から沖縄までたくさんの港に寄港します。
また小笠原諸島の父島、日本海の佐渡島などでも錨を降ろしボートで上陸することもあります。
遠洋航海ではハワイ諸島やアメリカ西海岸、オーストラリア等へ航海したり、パナマ運河、スエズ運河を通過し世界一周を行う練習船もあります。
日本を離れ、仲間達と協力しながら長い航海を続け、外国の港に着いた時は、とても嬉しいものです。
航海の規模や時期、寄港地は実習の種類や乗船する練習船で異なります。
船酔いはしますか?
ほとんどの実習生は実習の初めには船酔いを経験します。
個人差もありますが、実習を続けているとだんだん慣れて船酔いをしなくなります。
練習船の食事はどんなものなの?
船に乗っていると食事が一番の楽しみ。
さて、練習船ではどのようなものがでるのでしょう。
練習船では、毎日専門の職員 (事務部の職員)が実習生・乗組員の食事を料理します。
事務部の人達は、美味しい食事を飽きることなく、栄養のバランスも考えて調理しています。
各寄港地ではその土地の特産品を仕入れて、その土地の美味しい料理味わわせてくれます。
航海中は三食の他に、夜食が出ます。
ときには洋食や中華のフルコースなんてこともあります。
それは乗船してからのお楽しみ!



練習船では自由時間をどのように過ごしているの?
練習船では、ビデオ班、結索班(ロープの結び方を楽しむグループ)などいろんなグループを作って活動するほか、船内での生活を明るく楽しくするために、赤道や日付変更線を通過した際にお祭りをしたり、洋上大運動会を行ったりします。
船の上での運動会は、船の揺れをいかに利用して競争するかの知恵比べ。
航海しているときや沖に仮泊しているとき、釣りを楽しむこともあります。
大物がかかることもありますよ。 参考風景
日本丸と海王丸の外見の違いは?
誰にでもすぐに分かる違いは、白く塗られた船体の横に描いた青い線です。
日本丸は、濃い青い線が一本なのに対し、海王丸はライトブルーの線が二本です。
その他、救命艇の色(日本丸はオレンジ色、海王丸は白色)が異なるなどの違いがあります。
詳しくは、仕様(日本丸、海王丸)をご覧下さい。

日本丸

海王丸
日本丸や海王丸は入出港時には帆を開かないの?
たくさんの船が出入りして混雑する港の中では、船どうしが衝突するのを防ぐために船が走る道(航路)が定められているなど、いろいろな規則があります。
ところが、帆船が帆を広げて走るときは、風次第。風向きによっては規則どおりに走ることがむずかしくなります。
あるいは風向きが急に変わったときには、たくさんの大きな帆を操るのに時間がかかるので、広いように見えて狭い港の中では大変危険な状況になります。
そのため、港を出入りするときにはエンジンを使って走り、広い海域に出てから帆を広げることを原則にしています。
たまに、帆を開いて入港することがありますが、これは帆で走っているのではなく、帆を操り、風の影響を受けないようにして、エンジンを推進機として使用しています。
日本丸や海王丸はいつも帆を広げて走っているの?
いつも帆を広げて走っているわけではありません。
帆を広げて走ることを帆走(はんそう)と言いますが、我が国の沿岸で帆走する時間は少ないのです。
港の中や、沿岸では帆で走ると危険な場合がありますし、また帆船でもエンジンの実習もありますので、帆を畳んで走ることも多いのです。
遠洋航海で、太平洋を渡ってアメリカの西海岸やハワイなどに向かうときは全ての航程を帆走することを目指しています。
東京湾を出てアメリカやハワイまで、ずっと帆走できる事もありますし、やむを得ずエンジンで走ることもあります。
すべて風次第です。
日本丸や海王丸に乗ることはできるの?
日本丸や海王丸は、将来の船長や機関長を目指している学生達を訓練するための練習船です。
練習船に乗るには、 最初の質問に書かれている学校を参考にして下さい。
ただし海王丸の場合には、一般の人達が乗船し、訓練を受けている学生達と生活を共にし、一部の訓練を学生達と一緒に体験する乗船研修の制度が設けられています。
詳しくは、財団法人 海技教育財団にお問い合わせ下さい。










